パソコンからハードディスクやSSDを取り外し方と詳細な手順
パソコンを処分する際、ハードディスクなどの記録媒体はどうしたものか悩ましいものがあります。
例えば処分するパソコンに付けたまま送るのが一番楽です。でも色々なデータすべてを保存していた物ですし、万が一データが流出したら…なんて考えたらたまった物じゃありません。
ならハードディスクを外して、なにかしらの処理をすればデータが漏れる事はない、と考えるのはある意味当たり前かもしれません。
でもいざ外すと思っても、パソコンからハードディスクを簡単に外せるのか気になる所だと思います。
先に書いちゃうとごく一部の特殊なモデルを除き、ハードディスクやSSDは大きな手間なく自分で外せます。外せないと壊れたときに修理できませんし。
ですがパソコンと言ってもデスクトップやノートと形状の違いもありますし、メーカーが違うと取り外す方法も色々と異なってくる事が多いです。
そこで今回はパソコンからハードディスク等を外す一般的な方法と、各メーカーで詳細な手順を確認できる方法をまとめてみました。
外した後の、ハードディスクのデータを消す方法については「ハードディスクやSSDの処分時にデータを消去する方法」にまとめています。
さらに外してデータを消した後の処分方法を「ハードディスクやSSDの処分方法について」にてまとめました。
ハードディスクやSSDのはずし方
必要な道具はドライバーとマニュアル
基本的にその機種のサービスマニュアルとドライバーが必要になります。
サービスマニュアルは後述するパソコンメーカーのサポートサイトで確認できます。便利な世の中になりました。
外したい機種の型番で検索して、ハードディスクまたはメモリの増設をする方法で調べればサービスマニュアルを見つけられます。
ちなみにこのマニュアルをスマートフォンやタブレットで閲覧できる状態にしておくと作業がはかどります。
工具は主にプラスドライバーを使用し、最近のデスクトップパソコンなら#1というサイズのプラスドライバーが1本あれば十分です。
ですが特にノートパソコンの場合、ドライバー複数本と隙間に刺すプラスチックカードはまず必要です。その他は精密ドライバーがあると便利かもしれません。
デスクトップパソコンの場合
Windows7搭載モデル位までだと#1というサイズのプラスドライバーが必要な機種が多いです。 最近の機種はドライバーレス(工具不要)の物も多いので事前確認しておいてください。
取り外す大まかな手順は
- パソコン本体の外装(大体向かって左の側板)を外します。
- ハードディスクやSSDを固定しているネジや爪を外します。
- ケーブルを抜いて取り外します。
と言う3ステップです。
デスクトップパソコンだと基本的に3.5インチのハードディスクが搭載されています。最新の機種だと2.5インチのSSDやM.2のSSDの場合もあるでしょうが、この手順に違いはありません。
この3ステップですが、外装の外し方やハードディスク等の固定方法がメーカーや機種によって異なるのが面倒な所です。
一応中に外し方のシールが貼ってあったりしますが、マニュアルの方がより分かりやすいです。
また液晶一体型はノートパソコンと大差ないので、ノートパソコンの場合を参考にしてください。
ノートパソコンの場合
ノートパソコンのうち、A4等の大きいタイプを想定した場合の話です。
このサイズかつ安価なモデル、底板は全体を覆う形で一枚板になっていて、ツメとネジで固定しています。このタイプのモデルだとそこまで手間が掛かりません。
ネジ取って底面も外せばメモリやハードディスクにアクセスできる状態になります。また底板を外すにはドライバーでネジを外した後にスキマから薄い何かでツメを外す必要があります。
見た目を邪魔しない様に隠しネジを使っている事もあるのが面倒な所ですが、底板さえ外せれば後は問題無くハードディスクを外せます。
安いノートパソコンは情報が無かったり、ハメ込みでなく超音波接着してたり、ハードディスクが基盤に半田付けされている場合もあるので注意が必要です。
そういえば、2010年位までの法人向けモデルはハードディスクがすぐ取り出せる構造の物が多くありました。
最近全く見かけなくなりましたが、情報漏洩の事を考えたらあの手軽さはよろしくなかったのでしょうね。
詳細な手順について
詳細な手順はメーカーサイトでマニュアルを確認するのが一番手っ取り早いです。
それに主要なメーカーならサポートページでメモリやハードディスクの増設で調べると機種毎にしっかりしたサービスマニュアルが用意されています。
特にサービスマニュアルは細かい手順が図解入りで説明されているのでぜひ確認してみてください。
HPの場合
HPはサポートページから型番で検索し、ユーザーガイドにある「ハードウェアリファレンスガイド」を確認してください。
DELLの場合
DELLはサポートページから型番で検索し、「マニュアルおよび文章」にあるサービスマニュアルを確認してください。
HP、DELLに共通した問題点として、英語のサービスマニュアルしかない場合があります。
ですが図面を見れば分かりますし、特に「Hard Disk」の様な単語が分かればどうにかなるのでそこまでの問題では無いかな、と思います。
また両メーカーともデスクトップは基本的に側板を外す構造で、外した側板にはハードディスクの外し方の書かれたシールが貼ってあります。
また両社ともドライバーが無くても取り外せる機種は多いのですが、一番最後のトレイからハードディスクを外すのにドライバーが必要なんて事もあるのでやはりドライバーは合った方がいいです。
Lenovo(レノボ)の場合
レノボは品番が多すぎてモデルの特定が難しい問題があります。
一番簡単かつ確実なのはメーカーのサポートサイトでシリアル番号検索する方法です。
レノボも 分解の楽さは DELLやhpと遜色ないのですが、小さいモデルは独自の細かい作りになっている事もあります。あと結構ネジやシールが多いです。
NECと富士通の場合
NECや富士通もサイト上にサービスマニュアルが用意されています。
この2社はサポートサイト上のFAQで取り外し手順だけの説明をしている点が特徴的です。
特に両社の法人用モデルやデスクトップ分離型はパーツ密度が高いのですが、メンテ性が高くかなり外しやすくなっています。
なんですけど個人向けの液晶一体型モデルは比較的外すのに手間がかかって難しい事が多いです。
マウスやドスパラ等のBTO系の特徴
最後にマウス等のBTO系のパソコンはほぼ自作機と同じ構造です。
ハードディスク等の固定がネジだったりケースの専用パーツだったりしますが、その辺りも含めて大きな構造としては自作機と同じ様な作りになっています。
なのでメーカーのサポートサイトで該当機種のサービスマニュアルが見つけられなかった場合は自作機の作り方で調べてみて下さい。
またドライバーはほぼ必要なので1本用意しておいた方がよいです。
業者に取り外しを依頼する
よく分からなかったり、自信が無かったり。また時間がない時はプロに任せるのも一つの方法です。
ビックカメラ・コジマ・ソフマップのグループにパソコンごと持ち込めば別途480円(税抜)で取り外してくれます。
これはハードディスク1台あたり930円(税抜)でハードディスクの破壊・廃棄サービスのオプションになります。
またこのサービスはビックカメラ・コジマ・ソフマップの各店にあるサービスサポートカウンターでの受け付けです。
申込には店頭へ持ち込む必要があるので、デスクトップパソコンよりもノートパソコン向けのサービスと考えた方が良さそうです。
取り外した後の処分方法
取り外したハードディスクやSSDは正常に動作する、壊れかけ、壊れているのどれかで処分方法が変わります。
- 正常に動作する場合:(フォーマットした上で)自己利用or売却or廃棄
- 壊れかけの場合:(可能ならばフォーマットした上で)廃棄
- 壊れている場合:廃棄
正常に動作するなら自分で使っても良いですし、売っても捨てても良いでしょう。ただ売ったり捨てる場合はフォーマットをしっかりする必要があります。
次に壊れかけで動作が不安定な場合、フォーマット出来ない事が多いです。もしフォーマットできない場合、データ流出対策を考えるなら物理破壊の依頼を検討する事になります。
ちなみに壊れているとフォーマット出来ませんのでそのまま廃棄するしかありません。壊れかけの場合同様、物理破壊を検討することになります。
特に壊れている場合はパソコンから外さずにリサイクルへ出した方が楽だと思います。リサイクル先で物理的に廃棄処分されますし。
詳細は「ハードディスクやSSDの処分方法について」にまとめています。
おわりに
データ流出に対する対策は絶対に必要です。
Windows10ならフォーマットだけでも十分ですが、消去専用ソフトを使う方がより確実です。
特に絶対に漏れていけないデータが入っていたなら破壊するのがベストです。
ただどんなパターンでも時間や手間暇、金銭的なコストをかける事になりますので、どこまでやるかの検討は必要でしょう。
最近は「リネットジャパン」にパソコン処分を依頼しているのですが、HDDもその時にまとめて送っています。
1台壊れた都度処分するのも面倒ですし、パソコンと送れば処分費もタダですし。それに送るだけっていうのが楽でいいです。 処理もちゃんとやってくれますしね。
【国認定】不用PCの宅配便回収<リネットジャパン>何かのご参考になれば幸いです。